銀座 森岡書店 名作絵本集の展示を終えて

 2月1日〜6日まで、銀座 森岡書店で開催された【血となり骨となれ 絵本作家・戸田幸四郎が描いた、知られざる名作絵本展】このような状況の中、お越しいただいた皆さまに心より御礼申し上げます。

展示の主役となったのは『戸田幸四郎名作絵本集』。『あいうえおえほん』を始めとする他の作品から比べると、同じ作家が描いたとは思えないほど絵もテーマも重厚。なかなか皆さんにお届けすることが難しい作品群でもありました。

今回、森岡書店 店主・森岡督行さんに光を当てていただき、私たち戸田デザイン研究室もこの作品が実に戸田幸四郎らしい哲学によって生まれたものだと、改めて認識することができました。

展示の様子。壁には原画も。



宮沢賢治『竜のはなし』、太宰治『走れメロス』、小川未明『牛女(うしおんな)』、花岡大学『世界一の石の塔』、『百羽のツル』。『戸田幸四郎名作絵本集』は名だたる文豪が綴った5冊から成り、それぞれがまったく異なる人間の心を描いています。

森岡さんも「この5冊でひとつひとつの人間を造っている。」とお話しくださいましたが、まさにこの5つの物語で「名作絵本集」は完成します。そしてこの5冊を選んだのは戸田幸四郎自身です。

いわゆる知育と呼ばれるジャンルを楽しく美しいデザインで伝え、“知育絵本の草分け”と言われた戸田幸四郎が、なぜこんなにも重いテーマを選んだのか。そこに若干の違和感が漂うかもしれません。

しかし、じっくりと考えてみると「名作絵本集」でも他の知育絵本でも、最終的には同じことを伝えたかったのだと思います。

知識を伝えるだけではなく、読者の心を動かし、内なる好奇心を呼び起こす。それがやがて自分の好きなもの・情熱を傾けられるものとの出会いを呼び、人生を支えていく力となる。戸田幸四郎はそうした知育絵本を作るべきだと考えていました。

そして「名作絵本集」はさまざまな人間の心を伝えることで、自分はどう生きたいかを問う力を養い、険しくも素晴らしい人生を生きていく糧にして欲しい。そんな思いを込めて文豪の筆致に正面から挑み、渾身の油絵を描いた作品群です。

我々はどう生きるか。
言葉にすると壮大ではありますが、人生とはまさにそうした問いの連続です。そうした問いを超えて豊かな人生を形づくっていくために、知識や文学、芸術というものがある。
どの作品にも共通した戸田幸四郎の哲学を、異色のタッチで描いたのが『戸田幸四郎名作絵本集』とも言えるのです。

今後、皆さまもどこかで「名作絵本集」を目にしてくださる機会がありましたら、ぜひじっくりとお手に取ってみてください。
戸田幸四郎 渾身の作品を通して、戸田デザイン研究室の基盤とも言える考えに触れていただけることを心から願っています。



■今回の展示に関連するコンテンツ
森岡書店店主 森岡督行さんインタビュー

・弊社代表 戸田靖インタビュー

・今回の展示内容について
https://toda-design-column.blogspot.com/2022/01/blog-post.html

■森岡書店さんのインスタライブ。
森岡さん、弊社代表 戸田のお話を清水屋商店 清水さんの司会でお楽しみいただけます!https://www.instagram.com/tv/CZbpP66lIJI/




▶︎▶︎▶︎コラム一覧にもどる

▶︎▶︎▶︎私たちの基本の考え









  • Facebookでシェア
  • Twitterでシェア